バチ抜け発生条件の見極め方——28年やって分かったこと
バチ抜けの記事を探すと、だいたい同じことが書いてある。大潮前後、満月か新月、気温の上昇、夜間。間違ってはいない。バチ抜けカレンダーはとても有用だ。でも長年やってきて思うのは、この「教科書的な条件」をなぞるだけでは、結局みんなが行く時間に行くことになりポイントが制限される。バチ抜けカレンダー通りにいくのももちろん良いが、カレンダー未記載日に一人だけ嵌めるということもできるのだ。
今回は、見極め方の核になる部分と、旧江戸川や東京湾奥での実際の話を整理しておく。
潮回りは、やっぱり一番信用できる
身も蓋もない話だが、一般的に言われている潮回り(1月〜5月の大潮最終日〜中潮2日目)が一番抜ける。これは否定しない。
ただし、それ以外の時間帯でも抜ける。。バチが抜けるタイミングは、釣り人が思っているよりも幅がある。旧江戸川、新中川には初期シーズンのゴカイを掬って鯉釣りの餌にするという文化が昔からあって、その人たちがゴカイの動きに一番詳しい。最近はバチを餌に鯉釣りする人は減っているようだが、10年前くらいには釣具屋でもとれたてのバチを販売していたものだ。
このバチ採りをしている方々に教えてもらったのが「ド干潮からの上げ」でも抜けるということだ。これは川も港湾も同じである。満潮からの下げ潮でバチが流される、というのが定番のイメージだと思うが、それだけではない。旧江戸川の深夜の時間帯、深夜0時頃そこからバチが再度湧き出し入れ食いになったことは何度もある。潮回りという大枠は外さない方がいいが、「下げだけ」と決めつけると見極めの幅を自分で狭めることになる。
「抜ける」と「釣れる」は別の話
ここが一番伝えたいことかもしれない。
12月、1月はバチが抜けることは抜ける。シーバスも釣れることはある。ただし、その時期に掛かるのはニゴイやマルタが多く、本命のシーバスはポツポツという印象が強い。年明け早々の数字はあまり安定しない。
1月後半に入ると、ようやく本番という感覚になってくる。シーバスの口を使う頻度が上がってくるのがこのタイミングだ。旧江戸川で12月から積極的に動いている人もいるがバチ抜け狙いの人は少ない印象がある。これは経験則として、バチ抜けの「発生」と「釣果」を分けて考えないと、シーズン初動で空振りを繰り返して心が折れる。
毎年、バチの抜け方も魚の入り方も違う。これは正直、行ってみないと分からない部分が大きい。データだけで読み切れるものではない。2026年は1月からバチもよく抜け、魚もしっかりついている様子で好調であった。
開幕の目安は「花」で見ている
潮回りや水温の数字より、自分が一番信頼しているのは花の開花だ。
- 川バチ(河川系) → 梅の開花
- 港湾バチ(運河・港湾系) → 桜の開花
これは誰かの本に書いてあったわけではなく、28年通ってきて体感として固まってきたタイミングだ。梅が咲き始める頃に川エリアが全盛になり、桜が近づいてきたら港湾・運河エリアに意識を移す。気温や潮回りの細かい数字を追うより、この大きな季節の節目を目印にしておくと、シーズンの入り方を外しにくい。
港湾バチもバチ抜けカレンダー通りに釣れるが、それ以外のタイミングは川バチよりタイミングが読みにくい。時間帯も日によってバラバラで、正直「なぜ今抜けたのか」が分からないことも多い。ただシーズンが進んで5月、6月になると、その不規則さがむしろ強みに変わる。この時期は連日抜けると言っていいくらいで、抜けない日を探す方が難しいくらいになる。シーズン初動の見極めは難しいが、後半に入れば「行けば抜けている」状態になる、というのも港湾バチの特徴だ。
まとめ
- 潮回りは大潮最終日〜中潮2日目が基本。ただし下げだけでなく上げでも抜ける
- 「抜ける」時期と「釣れる」時期はズレる。12〜1月は本命より他魚が掛かりやすく、本番は2月から
- シーズン開幕の目安は、川バチ=梅の開花、港湾バチ=桜の開花
毎年同じ場所、同じ条件で同じように抜けるわけではない。だからこそ、教科書的な条件だけに頼らず、自分の目で確認する回数を増やすことが、結局は一番の近道だと思っている。